中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2638回
未熟な証券会社の経営態度

3年たって、
ベトナムの証券取引所はホーチーミンのほかにハノイにもつくられ、
上場企業も155社までふえたそうです。
上場基準も低く、
私たちが1社丸ごと買い占められるような
小規模の企業もその中にまじっていますから、
私たちの常識にあるような健全な株式投資には
まだ程遠いようです。

でもベトナム中が空前の株式ブームに沸いていることに間違いなく、
証券取引は午前中だけですが、
どこの証券会社も小さなホールがお客で溢れかえっていました。
たまたま株通と言われる台湾出身の人たちにも
何人か紹介されましたが、
証券に対する知識も低く、
「一買いニヤリ」
の短期勝負をやるバクチ好きの人々と見受けました。

日本語の社員もいて、
日本人のお客も多いという証券会社にも案内されましたが、
私たちが証券会社として頭に描いている雰囲気ではありません。
それでも証券ブームの匂いを嗅ぎつけて
次から次へと押しかけてくる日本人が多いので
(日本人で口座を持っている人は全部で2千人くらいと聞きました)
口座の管理費を1人当り月に100ドルも要求するそうです。
日本人は株を買うとそのまま放置して手数料にならないので、
ほかの方法でお金を捲きあげることを思いついたようです。

それでもまだブームが続いているので、
次から次へと押しかける人は後を絶たないようですが、
私は証券会社が株券と共にドロンをきめ込むことがないかどうか、
しつこく質問をくりかえしました。
証券の保管は政府がやっており、
証券会社の自由にはならないそうですが、
全部で55社許可された証券会社の中で
実際に営業しているのは10数社、
その中で3本指に入るうちの1社を訪問しましたが、
新しく引っ越したばかりのオフィスでも、
ホテルのロビーには遠く及ばないスケールの小さなものでした。
小さくても、
これから大きくなるものならバカにしてはいけません。
しかし、それよりも一番気になったのは
証券会社を経営するトップの人たちの経営に対する態度でした。


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2007年5月31日(木)

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