中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2644回
今度は売り損った時の心配ですね

資産インフレで最っ先に連想するのは
不動産と株の値上がりです。
不動産の値上がりはもう2、3年も前から始まっており、
政府も早くからそれを事前に察しているので、
ローンの制限をするとか、利息の値上げをするとか、
購入して2年以内に売却した場合、
差益に対して課税をするとか、
また外国人の購入を禁止するとか、
さまざまの対策を発動しています。
それでも不動産の価格は強気が続いていますが、
その半面、不動産にはかなりまとまった資金が必要なので、
全人口から言えば、
ごく一部の人たちが参加しているだけです。

それに対して株式投資は僅かな資金でも参加が可能だし、
もともと中国人のバクチ好きと波長があっているので、
一旦、チャンスがあるとなれば、
それこそ「10億総相場師」が
現実になっても決しておかしくはありません。
現にあッという間に、
上海A株も深圳A株も大変な値上がりをしましたが、
値上がりは警戒心を呼び起すどころか、
逆に投機心に油を注ぐことになって、
株式ブームはこれからはじまるところだと見て、
間違いありません。
株価は既に暴騰、暴落の反復が続いていますが、
輸出黒字が続く限り、
更に巨額の資金が株式市場に投入されるので、
大きく揺れながらも
ダウは上昇する方向に動くことが予想されます。

私たち、外から中国株に投資している立場の人にとっては、
B株の大暴騰とやがてその余波が
香港にも及ぶことを想定した対応が必要になりますが、
上海B株と深圳B株の値上がりだけでも、
かつてのA株B株の合併を予想した
思惑どころの騒ぎではありません。
たとえば、私はエルドスとか耀華ピルキントンのような
中堅株を持っておれば、
そのうちに米ドル1ドルくらいにはなりますよ
と周囲の人たちにすすめたことがありますが、
誰もがフンフンと夢物語としてきいていました。
それがそれどころの騒ぎでなくなってしまったのですから、
今度は売り損った時の心配に変わってしまいました。
生きている限り人間って心配のタネは尽きないものですね。


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2007年6月6日(水)

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