中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2685回
資産インフレ対策は不動産購入のくりあげで

つい最近まで北京は
巨大な田舎という感じが強かったと思います。
ビルの建築だって、流行のスピードだって
どんどん上海に先を越され、
料理のレベルだって、自動車のふえ方だって
その後を追うのがやっとでした。
ところが、来年のオリンピック開催を目睫に控え、
北京の街の整備は俄かに進み、
自動車の渋滞ぶりも上海どころの騒ぎでなくなっています。

中国人は車でも人でも行列の中に割り込むのは平気ですから、
このままでは外国人に笑われます。
というわけで
行列をして順番待ちをする訓練もやるようになったし、
みっともない看板は政府の指導で撤去するようになっています。
次々とビル・ラッシュが続いていますが、
時を同じくして不動産も値上がりをする方向に動いており、
うっかりすると上海に負けないレベルまで
はねあがることがあるかも知れません。

資産インフレをあおるようなことは
私たちのやることではないので、
私が不動産投資のパイロットをつとめるわけには行きませんが、
オフィスや工業用地など何年か先の計画に入っている買物は
すべて予定をくりあげて
いまのうちに手に入れるように指示しました。
政府との交渉は遅々として進まないけれども、
民間のビルの建築業者は金ぐりに忙しいですから、
値段さえ折り合えばその時々の時価で契約は成立します。
不動産はいつだって高い。
高いけれども情勢次第ではもっと高くなります。
いまはちょうどそういう時期にさしかかっているので、
金ぐりに余裕のある会社には
自分たちが必要とするスペースの倍のオフィスを買い、
半分は自分たちが必要とするまで他社に賃貸することにしました。
この調子なら恐らくあまり遠くない将来に
1平米2万元が倍にはなる可能性があります。
会社の調子がよければ、
ほどなく倍のスペースを必要とする時代が来るだろうし、
うまく行かない場合でも不動産が倍に値上がりすれば、
半分売って自分たちの使う分は只になります。
というわけで資産インフレ対策は直ちに実行に移しましたので、
不動産の値上がりにおいてけぼりをくらう心配はなくなりました。
これが私の大陸における資産インフレ対策です。


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2007年7月17日(火)

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