中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2691回
アジアは工業化社会と非工業化社会に二分?

今回、考察団の訪問先として、モンゴルを選んだのは、
「次はアジアの時代だ」というけれど、
工業化に向いた国とそうでない国とがある筈だ、
どこが工業化に向いた国で、どこがそうでないか、
を自分の目で確かめる必要があると思ったからです。

私はそうした目をもって、
以前から東南アジアから、ミャンマー、
インド、スリランカあたりまで一わたり動きまわっていますが、
考察団を組織してからも
ミャンマー、タイ、ベトナム、インドを訪問しています。
モンゴルにはもう7年くらい前に一回行っていますが、
もう一度、モンゴルを選んだのは、
相撲の両横綱ともモンゴル出身によって占められるようになり、
日本人のモンゴルに対する関心がいままでになく強くなったことと、
私自身は7年前と
はたしてどのくらい変わったかを知りたかったからです。

今回は予想通り申し込みが多く、
たちまち枠をはみだしてしまいましたが、
モンゴルが昔と大して変わらないのではないかという予想にも
どうやら狂いはなかったようです。
近代化がすすんでいないことを売り物にする
観光ビジネスが主流を占めており、
私たちもゲルで一晩、不自由な生活を送りましたが、
何しろロシアが無理矢理、
内乱下の中国からもぎとって独立させた国ですから、
道を歩いていても漢字の看板一枚見当りません。
市場の中の商品も見すぼらしいことに変わりはなく、
韓国製品が主流を占めていたところに、
中国から輸入した食品がかなりふえているのが目立ちました。

同行した人たちに
「モンゴルの産業って何ですか?」
ときかれて私は即座に
「相撲でしょう」と答えたら爆笑の大波になりましたが、
同じアジアの中でも頭で勝負する国と、体で勝負する国、
別の言い方をすれば、
工業化社会と非工業化社会に分化して行くようです。
一方の代表がベトナムだとすれば、
その対極にあるのがモンゴルということになります。
お金儲けには向いていませんから投資の対象にはなりませんが
モンゴルは空気のおいしいところですね。


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2007年7月23日(月)

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