中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2692
株主も待ち時間が必要です

モンゴルの観光を終わったあと、
鄭州へ行って鄭州ガスの企業見学をやる予定でしたが、
董事長さんがアメリカに出張して不在なため、
急拠、南京に方角を変えて、
南京から揚州、常州と言った美食街道を経て
上海へ向うことになりました。

何年も揚州に行っていなかったので、
久しぶりに行ってみたいという気持もありましたが、
いまや長期投資の対象になった
大賀伝媒と常茂生化と銘源医療のトップの人たちから
近況をききたいという下心もあったのです。
私がこれと思った会社は、私が目をつけると株価が動きますが、
どこかで一回、天井に頭をぶつけると、
しびれをきらした人たちが投げにかかります。
ついでにさんざ私の悪口まで言います。
私が一株も売っていないのに、
私が利食いをしたとか、売り逃げたとか悪態をつきます。
私は成長株を買っているのであって、
相場をやっているわけではありません。
途中で何回も小休憩がありますが、
次に走り出してからの方が息の長いことは皆さん、
ごらんになっている通りです。

たとえば常茂生化はバイオで食品添加剤と薬品の中間剤を生産して、
その60%を味の素や東レやナビスコなどの
海外一流会社に輸出している
中国では珍しい素性のよい化学会社です。
その常茂生化で上向きになっていた業績が
昨年からことしの上半期まで一年あまり足踏み状態になりました。
株価もそうした実情を反映して泣かず飛ばずでしたが、
その原因は工場が完成して減価償却ははじまっているのに、
味の素との交渉が遅れて
味の素分の工場が20%しか稼動しなかったからです。
担当者の間ではOKという回答がでたのは半年も前でしたが、
それが会社からの正式回答になったのは
7月になってからのことです。
日本のITメーカーと新製品の交渉をすると、
半年あるいはそれ以上かかりますが、
台湾のメーカーの社長はほとんどが技術者出身ですから、
その場で電卓を出して売値まで出して見せます。
この違いが常茂と味の素の間にも発生したということです。
それを待ち切れずに「常茂は何をしている」と叫ぶのが
日本の株主たちなのです。


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2007年7月24日(火)

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