中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2699回
シティ・バンクが大株主に

これまでの例でいきますと、
考察団がどこかの会社に見学に行くニュースが流れると、
そこの株価に動意が見られます。
今度はヒミツにしないで公開しようと考えて、
「もしもしQさん」で発表したのですが、
ちょうどその日、銘源医療の株の売買が停止になりました。
何事かと思って確かめたら、
会社のトップが株を第三者に譲渡することを
役員会で発表するためという返事が帰ってきました。
瞬間的に、私はこれは悪いニュースではないと受けとめました。
というのも、董事長が株を譲るくらいですから、
会社の将来にプラスする株の移動に違いないと思ったからです。

はたして会社の発行株数の8%を取得したのは
シティ・バンクでした。
世界的な投資銀行が大株主になることは会社に箔がつきます。
これはあとからきいたことですが、
他のファンドからも色々と話があったけれど、
シティ・バンクはアメリカのバイオの会社にも
たくさん投資をしており、
シティ・バンクとつながりがあれば、
それらの企業と交流するチャンスがふえることを
念頭においた取引だったそうです。
かくて私たちが揚州から上海に出て、
銘源医療の上海工場に辿りついた時は、
銘源の株は連日、5000万株に及ぶ取引が続くという
熱狂相場になっていました。

上海の華山路にある新しい工場は
中国人寿の需要にこたえるために建てたものとききました。
この工場の稼動によって
年間300万個のプロテイン・チップの供給が可能になりますが、
続けて建設する第二工場が来年完成すれば、
生産量は倍増されます。
チップ1個が病院では300元で患者に提供され、
病院には150元で提供されます。
中国人寿には80元で提供されるそうですが、
クスリ九層倍は製薬業者の常識ですから、
どのくらい儲かるかは皆さんのご想像に任せます。
銘源の本年度は
昨年比25%ていどの増収増益と説明されていますが、
所得増と健康に対する関心の度合いに比例して
ふえる商売の一つですから、
かなり前途は明るいと
同行した人たちの意見は一致していました。


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2007年7月31日(火)

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