中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2700回
建値を忘れよ・石の上にも3年

銘源医療のような会社の株価をどう見るかは
投資家にとって1つの課題です。
ついこの間まで1ドル以下で、
業績もやっと上向いたところで俄かに人気づいて
1ドル70セントまで買い上げられました。
この値段が安いのか高いのか、
こんな値段から買いを入れて
はたして大丈夫なのか、
私が昔々書いた「恋のインターチェンジ」
という歌謡曲のセリフじゃありませんが、
「ここは思案のしどころよ」
ということになります。

株をやる人は自分の買値ばかり頭にこびりついていますから、
損をすることに異常に敏感です。
でも株は未来を買うビジネスで、
過去にこだわっていては動きがとれなくなります。
「建値を忘れよ」
という株の諺は
「昔の値段にこだわるな」
という意味で、
極端な言い方をすれば、
自分がいくらで仕入れたかということさえ忘れて、
今後、上がると思うか、
それとも見込みがないと思うかに従って行動せよ
ということです。
そんなことくらいわかっているよと言っても
なかなかその通りに行動できないものなのです。

そういう目で見ると、
中国人寿、平安保険のような中国の1、2を争う保険会社が
保険に加入する人の健康診断に正式に採用したことと
シティバンクが8%の大株主になったことは
銘源の株価の裏書をしたようなものですから
少くともインチキ製薬でないことは証明されています。

癌の中でも子宮癌の検査専門の新製品が開発され、
新しい戦力に加わっています。
恐らくこの会社は今後、
そう言った分野で専業メーカーとして
中国医療業界で独自の地位を確立することになるでしょう。
過去を見るより将来どうなるかを追究して行けば、
「まだまだ安いよ」
と思う人と
「調子に乗るな、
足元の明るいうちにジェット・コースターから下りろ」
という人に分かれます。
工場見学をしたあと、
私は以前よりこの会社に好意を持つようになりましたが、
あとは皆さんで判断して下さい。
強気といっても2、3年は辛抱させられますから、
気の短い人には向いていません。


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2007年8月1日(水)

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