中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2711回
中国で工場の大移動がはじまります

中国の工業製品はあまり遠くない将来に
ワン・ランク、グレード・アップする過程にあります。
グレード・アップすれば、
メイド・イン・ジャパンに追いつくものもあるし、
追いつけばそのサンドウィッチになった韓国や台湾のメーカーは
存在そのものをおびやかされることも考えられます。
現に中国でテレビの生産をしている日本の家電メーカーは
値下げまた値下げを余儀なくされ、
いまやテレビが売れれば売れるだけ
マイナスがふえる状態にあるときいています。

恐らく産業のすべての部門で
これと似たことが起る時代に入ります。
グレード・アップを要求されると同時に、
コスト・ダウンの要求にも応えなければなりませんから、
沿岸地域にある工場は
人件費の上昇をこなすための合理化と
製品の高級化に向って脱皮しなければやって行けなくなります。
なかでもコスト・ダウンの困難な労働集約的な業種は
人件費の安い内陸地帯に工場の移転をしなければならなくなります。
同じ中国のなかでも工場の大移転が起る時期がやってきたのです。

ちょうどそう感じているところへ成都市から
工業団地の開発をしてくれないかという依頼が舞い込んできました。
飛行場を下りて車で約30分くらいのところで、
第一期の開発面積が約40万坪ですが、
私たちにとって、まあ、手頃な大きさでしょう。
国としても西部開発に力が入るところだし、
成都市としても工業化に成功しないと、
不動産の価格も維持して行けないし、
地元商店街の繁栄も維持できないので、
グッド・タイミングじゃないかと考えて
相談に乗ることになりました。
もともと私は四川省の経済顧問もやっていますし、
イトーヨーカ堂と伊勢丹を
成都に引張ってきた張本人でもありますから、
日本と台湾の企業を誘致するくらいの力はあると
思われたのでしょう。
具体的にはもう少し先の話になりますが、
中国で新しい工場をつくる立場にある人は
どうぞ頭の中に入れておいて下さい。
この次の中国の工場開発は内陸に移りますよという内緒話です。


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2007年8月12日(日)

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