中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2722回
アメリカが日本に持ち込んだニュービジネス

これまで日本人にはやることがたくさんあったので、
汗水垂らして稼いだお金は
銀行や郵便局に持って行って
預けっぱなしにしている人がたくさんおりました。
定期預金の利息が6%をこえていた間は、
預金を運用する金融機関と
利益は半分分けという感じでしたから
まあまあガマンができましたが、
利息が下がってタダのような利率になり、
その上また20%の税金を天引きされると、
踏んだり蹴ったりという感じになります。

私は「銀行はお金の一時預かり所で、
預かり料をとられないだけましだ」と思っていますから、
いくらたくさん現金を持っていても
定期預金にしたことがありません。
その代わりお金を遊ばせておくのはもったいない
という気持ちがありますから、
長くは銀行においてはおきません。
不動産を買うか、株を買うか、
でなければ、思い切って使ってしまいます。
出稼ぎに行ってもらうか、でなければ、家出をしてもらいます。
銀行にとってはあまりいいお客様ではありませんね。

ところが、お金を働かせることを知らない大抵の人は
自分はせっせと働くのに、
お金の方は銀行に持って行ってそのままおいて帰ります。
自分に働き口のある間はそれでもいいかも知れません。
でも成長経済が終わってやる仕事がなくなると
どっちも遊んでいたのでは生計が成り立たなくなります。
と言って、いままで遊ばせていたお金をどう働かせたらいいか、
知りません。

そこのところをうまく突いて
色んな知恵のある人が色んな仕組を考えて
「銀行の利息より高い収入があるようにしますから」
とうまいことを言ってお金を集めにきます。
ファンドにも色んなのがありますから
一概に何とも言えませんが、
低成長化のアメリカで一番盛んになったファンドは
他人のお金を集めて他人の会社の株を買い占めて
値上がりを狙うファンドです。
日本人からお金を集めて
日本の企業の株を買い占めるアメリカのファンドもあります。
お金の運用の下手な日本の銀行が預金者の集めたお金を借りて
日本の株の買占めをやっているのです。


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2007年8月23日(木)

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