中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2725回
日本人の活躍する土俵が拡がったのです

3Kの仕事と
相撲取りの仕事は日本人の仕事でなくなりつつあります。
日本の男の子は皆弱虫になり、
折角、相撲部屋に拾われて未来の横綱への道がひらけても、
稽古がきびしかったり、
兄弟子からリンチを加えられたりすると、
すぐ泣きべそをかいて家へ逃げて帰ります。
お父さんには
「なんだ、そんな根性で」
と叱られることはあっても、お母さんはすぐ息子が可哀そうになって
「そんなにきつい仕事なら、
坊や、もうやめて帰っておいで」
とすぐもらい泣きをしてしまいますから、
横綱は
「ここで一ふん張りしなくっちゃメシも食えなくなるぞ」
というモンゴルの人たちにもって行かれてしまうのは
当然の成り行きです。

3Kの仕事についても同じことが言えます。
日本人がそういう分野の仕事から締め出されるのではなくて、
キツイ・キケン・キタナイに数えられる仕事には
なり手がいないのです。
上水道だけあって下水道の掃除をする人がいなくなったら、
どんな立派な宮殿だって汚物で一杯になります。
ですからそういう仕事を受け持ってくれる人はもっと貧乏な国から
働きに来てもらうよりほかないし、
反対に日本に生まれて、
さして身体を使わなくとも
富を生み出すチャンスに恵まれた人たちは
自分たちが身につけた技術と貯めたお金を持って、
そう言う身についた財産を生かすことのできる
発展途上国に移って、
自分たちの才能を生かせばいいのです。

日本以外の国々で日本のような
豊かな身分になりたいと考えている人はたくさんいます。
そういう人たちが日本人を排撃することは先ずありません。
むしろ日本人に見習いたいと思っている人がたくさんおりますので、
日本人が来て働いてくれることを歓迎しています。
日本に外国製品がたくさん入ってきて日本の商売が難しくなった
と怒るよりも、
日本人の活躍する舞台が拡がったと考えて喜ぶべきです。
日本のおいしい桃やメロンを外国に売りに行くのではなくて、
日本人がその種をもって
もっと安い値段で生産のできるところに行く機会が増えたのです。


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2007年8月26日(日)

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