中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2726回
殿様にバカのつく時代になりましたね

グローバル化によって
日本人の活躍する舞台が世界中に拡がりましたが、
メイド・イン・ジャパンが
世界中の人たちに愛用されるようになったのに比べると、
日本人が国の外へ出て働くことは意外に少いと思いませんか。
徳川時代に300年も続いた鎖国の影響が
いまだに尾を引いているわけではないでしょうが、
日本人は一つところに根を下ろすと、
そのまま根が伸びて動きがとれなくなる傾向が強いようです。

学校を出て偶然、応募して採用された会社に入ると、
そのまま定年になるまで
その会社に勤めている人が多いのを見てもわかります。
日本人は動物的発想をする人よりも、
植物的発想をする人が多いようです。
ですから、村八分にされることを一番怖れるのも日本人で、
その分、団結力が強いとも言えますが、
個性がないとも思われがちです。
あまり目立ちすぎることは
日本では身に危険が及ぶ前ぶれと言っても間違いなさそうです。

そうした環境に育ったせいか、
戦後60何年も戦争に見舞われず、
しかも経済成長のおかげで
世界のトップを行く金持ちの国になったおかげで、
日本人は自分たちの生き方に危機感を抱かなくなってしまいました。
もともと経済の発展に
政治があまりかかわっていなかったせいもありますが、
二流の人しか政治にかかわらず、
しかも社会が安定して世襲制が定着してしまうと、
戦後活躍した政治家の二世、三世が
そのまま親の地盤を継ぐようになり、
殿様の上にバカがつく政治が本番になってきました。
参議院選挙のあとの政界の動きは
私にはかなりの危機に見えますが、
それを危険信号として受けとらない人が多いのに
改めて舌を捲いているところです。
もともと戦後の日本経済の発展は
政治とあまり関係がないと言ってしまえばそれまでのことですが、
政治とあまりかかわりのなかった日本の経済体制に
新しい問題が来ていると思いませんか。
その上、バカ殿様の顔見世となると、
いよいよ心細くなってきませんか。


←前回記事へ

2007年8月27日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ