中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2751回
自動車メーカーより修理工場のチェーン

次は自動車です。
自動車が次の時代の大産業になることは
中国の子供たちでも知っています。
私は日本の成長期にも1ぺん、
その経験をしています。
昭和30年代から40年代にかけて日本で私が
「株の神様?」をつとめた頃、
自動車よりも自動車を通す道路の方が先だと考えて、
トンネルを掘る会社や橋を作る会社をとりあげて、
株式投資ではじめてビルを建てたほど稼いだことがあります。
自動車は一大成長産業でしたが、
それだけにメーカーも林立し、
どの自動車会社がトップを切るようになるか
全く見等がつきませんでした。
プリンスを買ったり、
スバルを買ったり、
いすずを買ったりした投資家もたくさんあったのです。

中国でも現に似たようなことが起っています。
デンウェイが何倍にも値上がりして
大儲けをした人もあるでしょうが、
数年前から自動車業界が過剰生産におちいって、
大半の自動車の株価がアップアップになって苦しんだことは
みなさん、ご体験の通りです。
ですから、
わたしはもう一ひねりして自動車がふえた分だけ
必らずポンコツ車がふえて、
その修理やパーツの補給をする日本で言えば
オートバック・セブンのような業種がいいのではないかと
頭をひねって探しまわったところ、
「新焦点」という上場会社が見つかりました。
人をやって調べると、
意外にも台湾の人が創立した会社で、
しかも董事長さんは私の本を見て大陸に進出した人だというので、
たちまち話がはずみ、
とうとううちから
役員を送り込むまでの関係になってしまいました。

その時の株価が1ドルで年に7セントの配当をやると言うので、
配当をもらうだけでも充分、
採算にのると考えて安定株主の1人になりました。
それが次々と修理工場を3000軒になるまで
目下、拡張中で、
資金需要に追われていますから、
途中から現金配当の代わりに
5パーセントの株配に変わりましたが、
株価2ドルのまましばらくガマンをするとしても、
10セントの利廻わりになります。
いまは車の美容が主流ですが、
車の修理や改造にとって代わられるまで
まだかなり時間がかかります。
でもこのスケールとスピードで
修理工場のチェーンづくりをしているところは
ほかにありませんから、
配当をもらいながらしばらくのガマンです。


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2007年9月21日(金)

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