中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2759回
長期保有株の1つを見つけました

翌朝、山東羅欣の展示室や工場の中を見せてもらいました。
工場の中の廊下は普通、
2メートルの幅があるものですが、
ここは節約して1メートルしかなく、
すれ違う時はどちらか一方がよける必要が起ります。
お金の余裕のなかった時に建てた工場だということが
一目でわかりました。

しかし、薬のセールスマン上がりがつくった会社だけあって、
4大直轄市だけでなく、
全国隅々にまで販売網を広げているので、
政府の薬価抑制にも拘らず業績は順調で、
フル生産をしても供給が不足気味で、
次の工場を敷地内にも、
また新しく購入した工業団地の一角にも増設するプランを直接、
劉董事長からきかされました。
当時、羅欣の株価はまだ0.5元程度でしたから、
私の第一印象は
「この株は買える!」
ということでした。

でも私に賛成してくれたのは
私と一緒に工場見学に行った私の秘書だけで、
ほかに関心を示してくれた人はほとんどありませんでした。
前年度に比べて売上げも利益も伸びたと言ってもほんの僅かだし、
配当も0.02ドルしかありません。
でも董事長は気のおけない人だし、
何よりも販売に力が入っているので、
むしろこれからの営業の伸びに期待できるのではないかと
私は躊躇しませんでした。

その後の業績を見ると、
2006年度は前年比業績が27%伸びているのに
利益は63%伸びています。
ということは利益率の高い商売をやっているということです。
この傾向はずっと続いて、
2007年度は上半期で
何と利益が前年同期より98%も増益になっています。
遂にことしの4月に
考察団を引率して臨沂の本社まで見学に行きましたが、
新工場の建設でごったがえしの最中でした。
この調子で拡張が続いたら株価が3ドルや4ドルまではねあがっても
おかしくはありません。
年間売上げが10億というのも夢ではありませんが、
はじめから長期保有株ときめこんだ方がいいのではないでしょうか。
まだまだこれからの株だと私は見ています。


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2007年9月29日(土)

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