中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2761回
都市ガスの成長には時間がかかります

もう一つ、私がうっかりして間違えたことがあります。
それは都市ガスの鄭州ガスに目をつけた時、
うっかりしてプロパンガスを扱う
新海能源を道連れにしたことです。

日本では「光熱費」と言うように、
家庭では電気とガスを使うのが常識です。
ところが、中国では電力の不足は急速に解消されましたが、
都市ガスの普及が遅れ、
大都会でさえプロパンガスで間に合わせて今日に至っています。
これだけ生活のレベルが向上し、
家庭でもお金が払えるようになると、
都市ガスに切りかえたい家がふえます。
北京をはじめ大都市では
都市ガスを計画している企業家たちが
先輩格にあたる香港の「中華ガス」に
指導もしくは合弁の話を持ちかけます。
「中華ガス」の董事長李兆基さんは
あまりにたくさん話を持ちかけられるので、
「ガスは成長産業らしいぞ」と考えるようになって、
ついに自社株の最大株主であるにも拘らず、
さらに自社株の買い増しに出ました。
それが記事になって香港の新聞に出ましたので、
私もウーンと唸って考え込んでしまいました。
それが私が鄭州ガスに目をつけるきっかけになったのです。

大陸の都市ガスの会社で
すでに上場しているのがいくつかありますが、
まだ基礎がしっかりしておらず、業績もあまりパッとしません。
その中で一番ちゃんとしているのは、鄭州ガスだったので、
各家庭にガスをひくのに時間も手間もかかるけれど、
売上げがふえるとその20%は経常益になるので、
高速道路と同じように成長株とみなしていいのではないか
と提案をしました。
その時の鄭州ガスは0.7ドルでした。
それが2ドルをつけていまは1.6ドルまでおちこんでいますが、
まあまあです。

都市ガスを調べている時に、
新海能源が鄭州ガスについで内容がよかったので、
サービスの積りで言及したところ、
あとでプロパンであることに気がつきました。
株価が落ち込まなかったのがせめてもの救いでしたが、
これも私の「うっかり」に属します。
ですから私の言うこともほどほどにきいて
あまり鵜呑みにしないで下さい。


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2007年10月1日(月)

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