中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2779回
アジアで工業化向き気質の国を探がせ

この次、経済が発展するのはBRICsだと言われていますが、
経済の発展とは何かというと、
具体的には工業化が進むかどうかということです。
成長を大きく左右するのは
工業化によってもたらされる富のことですから、
工業化がすすむ国であるかどうか、
すすむとすればどういう形でどんなスピードですすむかが
かなり問題になります。

そういう目で色々な国を見てまわりますと、
先ず工業化を推進するだけの
人間集団であるかどうかが分かれ目になります。
次に工業化に向いた社会体制になっているかどうか、
とりわけ政府を主導している人たちの
頭の構造がどうなっているかにも大きく左右されます。
地下に大きな資源が眠っているかどうかとは
ほとんど関係がありません。

私はこの次はアジアの時代だと考えていますので、
アジア中をできるだけ見てまわっていますが、
どうも北の方は寒い季節の間中、
家の中にとじこもって酒ばかり飲んでいる人が多いせいか、
工業化に全く熱が入らない、
つまり訓練に素直に応じてくれない人が多いように思います。
北の開発をやるとすれば、
モスクワ主導型の資源開発が中心になりますから、
開発資本も外来なら、技術も外来で、
収穫はごっそり政府を支配している人々に
持って行かれる形になります。
モンゴルも恐らくシベリアに準ずる動きに終始することでしょう。

その点、中国の北よりは南の方が
工業生産向きの人と政府に恵まれています。
軍事政権に支配されているミャンマーは遅れをとるでしょうが、
中国についで工業化が進む条件を備えている国が多いようです。
結局、工業化の進む条件のあるところから順次に工業化がすすみ、
社会全体が豊かになるにつれて、
豊かになった人々の考え方が
それぞれの国の政治体制に反映されて行くことになります。
ですからどこの国に住む人たちが工業化に向いた国民であるか
見間違えないことが大切です。
北よりは南というのがいまのところ、
私のつける点数が高くなっています。


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2007年10月19日(金)

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