中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2788回
北京に来たら陶朱公館の邱家菜を

料理というものは胃袋の要求に応じて口に入れるものです。
日本料理だって前菜が出たら、お汁になって・・・
と料理の出てくる順序が大体、決まっています。
西洋料理も同じです。
ところが、荒っぽい中国料理屋に行きますと、
料理はできた順序から出てきます。

どうしてかというと、
注文をとって厨房にまわす時に、
何分隊かに分かれた炒め物なら炒め物、
揚げ物なら揚げ物という部署に、
バラバラに切り離して伝達するからです。
各部署はお客の食欲とは無関係に、作業に移り、
できた順序から出して行きますから、順序は完全に無視され、
時にはまだ食べないうちから次々と料理ができてきて、
皿の上に皿を重ねるようなことを平気でやるのです。

日本では全くそういうことは起りません。
私の育った家でも料理を出す順序を間違えると
父親からこっぴどく怒鳴られました。
私の東京の家で客をする時も、
メニューの順序に出さないと、
うちのコックは私にさんざ文句を言われます。
どうしてかというと、
みんなの食欲にあわせてメニューをつくっているからです。
料理の素材も違えば、料理の仕方も違い、
一つ間違えると胃袋に全く違った影響をあたえてしまうのです。

三全公寓の陶朱公館では、
私の家のそうしたきびしい料理の出てくる順序を
きちんと守らせています。
もちろん、お客の方がトンチンカンで、
似たような料理を注文して、
料理法が同巧異曲でも平気な人はそれでもかまいませんが・・・。
少くとも私が私の家でお客をする時に
守っていることを味わってみたい人は
陶朱公館に足を運んで見て下さい。
白切鶏という鶏肉の前菜、
排骨湯という中華風オニオン・グラタン、
芋頭蒸猪肉という豚肉と里芋をサンドウィッチにした蒸し物は
邱家の家庭料理(邱家菜)の中でも代表的なものです。
我が家のコックがわざわざ北京まで来て、
北京のコックに伝授したものです。
フカノヒレやアワビのような材料の高い料理を除けば、
財布の中が火事になる心配はありません。


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2007年10月28日(日)

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