中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2801回
資源株ははたして万年強気でいいのか

石油や石炭や鉄や銅やアルミなどの資源に対する需要が
上昇する一方なら、当然、資源株は強気の動きが続きます。
しかし、需給の変化は強気一点張りということにならず、
値上がりして供給が増大すると、
供給が間に合って価格は反転し、
逆に弱気が支配する場面が出てきます。
ましてサブプライム・ローンの失敗によって
アメリカで景気後退が起れば、
それが世界的に波及して資源や資材に対する需要を
一時的に反落させることも考えられます。
長期にわたってそういう株を持つのも一つの投資法ですが、
むしろ需要の減退によって株価の後退した時が
株を買うチャンスといってよいでしょう。
そういうチャンスが
あまり遠くない時期に現われることが考えられます。

しかし、その一方で、中国の貿易黒字は一向に衰えを見せず、
世界的な景気後退が見られるとしても、
中国政府は輸出の衰退に一そう神経質になるだけですから、
元の切り上げを全世界から要求されても、
ますます頑なになって拒否する姿勢を変えないでしょうから、
ドルは更に一そう中国でふえ続ける筈です。
業種によっては輸出不振におちいるものも考えられますが、
国内の消費経済が所得の向上を背景に上昇を続けますから、
世界的な景気後退と壁一枚隔てて
別の展開になることが考えられます。

但し、これまでの好景気と違って
過剰流動性による株や不動産の上昇と共に、
物価の上昇を伴う消費経済の拡大ですから、
何でもかんでも売れ続けるわけではありません。
お金がふえたほどには売れる物がふえるわけではなくて、
売れる物と売れない物との入れ代わりが起りますから、
産業界に取捨選択が起ります。
原料高の製品安と消費者のお金の使い方が
産業界に大きな影響をあたえますので、
それが上場企業の業績に大きな影響をあたえます。
またこの機会に
株式市場で大量に資金集めをする企業も多いので、
こちらも自分の考え方を
再検討する必要があるようになりました。


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2007年11月10日(土)

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