中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2813
株価は10倍、人民元は1ドルが4元

つい最近、「広州日報」という
広東省でよく売れている新聞の記者が
東京の私のところまでインタビューにきました。
「広州日報」が私にききたかったのは、一言で言えば、
バブルの発生と崩壊で
中国は日本の二の舞を演ずるかということでした。

実は昨年、香港で一番よく売れている
「亜洲週刊」という週刊誌が
同じように東京までインタビューにきたことがあります。
この時は中国経済の動きをどう見るかときかれたので、
「株価は10倍、人民元は1ドル4元に向うと考えて下さい」
と答えました。
簡単明瞭ですが、よほど印象に残ったと見えて、
週刊誌に発表されると、
中国や香港の新聞で大々的に紹介され、
いまも中国のインターネットで私の名前のところを叩くと、
くりかえし「株価10倍、人民元は1ドルが4元」
という発言が紹介されております。

私がそういう答え方をしたのは
中国経済の成長に対して日本人だけでなく、
中国人の間にも疑問視する人が多くて、
その反動を危惧するムードが強いからです。
しかし、中国では成長経済はまだはじまったばかりで、
大半の人がマイホームさえ持っていないのに、何がバブルですか、
上昇サイクルの中のリセッションにすぎませんよ
ということを強調したかったのです。

中国は上海や北京で起っていることを見ただけでは
全体のことがよくわかりません。
特に上海は全国の金持ちの人たちのあこがれの的ですから、
不動産だって全国から買いにきます。
実際に住まない人が1人で2軒も3軒も買いまくり、
おかげで不動産があれよあれよという間に
3倍にもハネ上がってしまっただけのことです。
同じ上海だって
自分の家も持たない人がまだまだたくさんいるし、
全国規模で考えたら、
恐らく1割もマイホームを持っている人がいるかどうか。
ですから、経済の成長は緒についたばかりで、
生産のスケールはこれからうんと大きくなる過程です
という意味で
「株価は10倍」という短い言葉で表したのです。


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2007年11月22日(木)

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