中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2827回
アメリカ金融資本の舞台はアジアに大移動

この間、と言ってももう4週間ほど前のことですが、
香港上海バンクの株が
ニューヨーク市場で5ドルほど売り叩かれたことがありました。
それを見て香港の消息筋の人が
「これで明日から香港のハンセン指数は
3000ドルは値下がりするだろう」
と私に言ったことがあります。
はたして週あけから香港市場は大暴落をはじめ、
1日に1000ドル以上も下落することが続きました。

香港上海バンクがそれだけ売り叩かれるということは、
もちろん、内情を知った人たちの動きでしょうが、
香港上海バンクはオイル・ダラーとも深くかかわっているし、
同時にアメリカの金融市場とも直接つながっていますから、
サブプライム・ローンによる損害が
かなりあったと見るべきだし、
イスラム金融もそれなりに損害を蒙っているのではないか
と疑いたくなります。
オイル・ダラーがどこでどういう動きをしているのか、
一切発表がないので、
どこがどうなっているのか知る由もありませんが、
お金は必らずお金とつながっているので、
オイル・ダラーだけ無病息災というわけには行かない
と見るべきです。

となると、いままでアメリカで活躍していた金融資金が
一せいにアメリカ大陸から引き揚げて
アジアとか、インドとか、
アメリカ以外のところに移ることになります。
なかでも一番可能性の強いのは日本ではないでしょうか。
なぜならば、いまアメリカでやっていることは
他人のお金を使って
すぐにでも食べられる料理をつくることであって、
それを米づくりをしたり、
野菜のタネをまくことからはじめたりしないからです。
中国に投資している海外資本を見てもわかることですが、
ほとんどが日本、韓国、台湾、ヨーロッパの企業が多く、
アメリカ資本はコカ・コーラとか、マクドナルドとか、
ケンタッキー・フライドチキンと言った
サービス業しか見当たりません。
あとはフォードとか、GMだとかモトローラくらいのものです。
アメリカは金づくりには熱心ですが、
物づくりの国ではないことがわかります。


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2007年12月6日(木)

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