中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2833回
釜飯めし食べたかったら台北においで

敗戦後の日本人が台湾に旅行に行ってタクシーの運転手から
「天皇陛下はお元気ですか?」
と挨拶されたくらいですから、
台湾は全アジアで最も親日的なところです。
それだけに日中国交がはじまると、
すぐにも日本から見離されてアジアの孤児になってしまいました。

私は台湾に帰るようになってから将来のために
「永漢日語」という日本語の学校をつくり、
これまでに20万人くらいの人に日本語を教え、
いまは上海の3校も含めて7千人くらいの学生がおります。
中国の手前もあって、
日本政府は台湾を冷遇し続けていますが、
実は、その分だけ台湾に同情する日本人もたくさんいて、
民間外交は衰えてはいません。
そして、台湾の人たちがそれを歓迎するからでしょうが、
日本にある物は何でも台湾にあります。
日本のファッションの有名ブランドも日本料理の店も
軒並み並んでいますが、
すしやラーメンの店があるだけではありません。
とんかつ屋がハヤるようになったかと思ったら、
日本式カレーライスの店から釜めし屋まであるのです。

かって大家族主義だった中国社会は外食する時も
ファミリーで出かけたので、
中華料理屋はスケールの大きいのが普通でしたが、
昨今は大型店が次々と姿を消して、
中華料理店でさえ日本のレストランのように、
2人掛け、4人掛けが主流になってしまいました。
裏通りが繁盛するようになって、
代官山が中目黒に移るようなことが次々と起っています。
日本の流行がすぐ台北や高雄に定着して、
日本で起っていることを知りたかったら台湾に行ってごらん
ということになってしまったのです。

私は台北に行って坦仔麺の店に行くよりも
釜めし屋に案内されることが多くなり、
「日本文化は台湾に在り」
を実感するようになりました。
日本人は日本文化をどんどん捨てて行きますが、
正しい日本語を知りたかったら台湾に行きなさい
ということになりそうです。


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2007年12月12日(水)

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