中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2844回
チャンスは多いが、株の方が難しい

もし中国の経済成長が
人民元の切り上げによって中折れになると心配するようなら、
中国株に大事な資金を投じないことです。
そのくらいのことでへこたれる中国経済ではないのです。

かつての日本でも、円高と石油ショックが重なって、
倒産する会社が続出しました。
でも大半の企業が円高と石油ショックを克服して、
もっとすぐれた製品をもっと安い値段で提供することに成功し、
日本経済の実力を一段と強化しました。
中国も「世界の工場」として
世界中の技術を一通りコピーすることを終えて、
これから「安かろう悪かろう」を卒業して、
中級品あるいはそれ以上の高級分野で
先進国に挑戦するレベルに入ろうとしているところです。
外貨保有も日本を大きく引き離して
世界のトップに踊り出たのですから、
先進国の設備や素材を仕入れるお金に困った
10年前、15年前とはわけが違います。
中国が先進国の企業に逆にM&Aを仕掛けることも
あり得ないことではなくなってしまったのです。

そうした中で一番注目に値いするのは、
2億人にのぼるニュー・リッチが推進する消費経済の行方です。
格差社会は日本でも大きな社会問題になっていますが、
格差が生ずるということは
経済が大きく動いているということです。
輸出の停滞によって中国の経済成長がピンチにおち入るとすれば、
それこそ大不況に見舞われますが、
人民元高にも拘らず、それを打ち破るだけの成長が続くとすれば、
世界の目が一せいに中国に向くことになります。

中国人が何千年に及ぶ東洋的停滞の殻を打ち破って、
日本についで世界の金持ちになる過程を走りはじめたのです。
日本の10倍の人口で、
日本の10倍のスケールで経済成長するのですから、
チャンスは無数にあります。
但し不動産と違って株は人のやることですから、
それが時代の要求に見合ったものか、
また経営する人にそれだけの能力があるか
見極める必要があります。


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2007年12月23日(日)

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