中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2865
税金を払わない人に税金の本は不要です

私の知っている人たちで、
はじめは面白半分に中国株を買って
それが利を生んでいるうちに
巨大な財産になった人が何人かいます。
3000万円や5000万円では大したことはありませんが、
何億円、何十億円ということになると、
まともに税金申告をしたら
大へんな税金をかけられることになります。
昔に比べて今は税率もかなり下がり、
最高でも地方税あわせて50%どまりですが、
私が「ゼイキン報告」を書いた頃は最高税率が93%でした。

ですから、将来、税務署の課税対象になったら、
儲けの半分をごっそり持って行かれてしまいます。
切羽詰ってからでは間に合わないので、
思慮深い人たちはとうとう日本に住むのをやめて、
香港とか、北京とかに移住してしまいました。
日本の非居住者になれば、
日本人でも日本での納税義務は免除されますし、
香港や中国大陸では株の儲けには課税されません。
外国の収入に課税する税法はないからです。
いまのような形で、日本が将来、
更に増税や税金の取り立てをきびしくすれすれば、
日本人でも非居住者になる人が
だんだんふえることが考えられます。

しかし、たとえばカテキンさんの掲示板で、
私の「ゼイキン報告」や「節税の実際」に
いちゃもんをつける程度の人たちは
まだ日本の非居住者になる必要もないし、
多分、私が40年前に書いた税金の本を40年前に読んでも
チンプンカンプンで何のことだかさっぱりわからなかった人たちと
同じではないでしょうか。
税金を払うといっても
株の儲けの10%(将来は20%)程度のことでは駄目で、
毎日毎晩税金が少くてすむ方法はないものかと思い悩むほど
収入の多い立場になってからで充分間に合います。
税金を天引きされたあとの収入しか知らないサラリーマンは
手取りでしか金勘定をしたことがないのですから
税金のことを考えろと言っても無理です。
まして自分が支払った税金が
どんな使われ方をしているかについて
関心があるわけがありません。
そういう人は先ず金儲けに寝食を忘れることです。
それから私の40年前に書いた税金の本を読んで下さい。
40年前もいまも税金の法則は同じで
変わったのは税率だけですから、
読むに耐えないということはありません。


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2008年1月13日(日)

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