中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2875回
金持ちになる前に先ず香港の研究を

先ずどこの国に行ってどんな仕事をやれば金持ちになれるか、
計画を立ててみることです。
うまく行って年に何千万円も何億円も収入があるようになれば、
国によっては税金がゴッソリかかってきます。
税金について頭を使うのはそれからでも間に合いますが、
どうせ必らず金持ちになると自信のある人は、
金持ちになる前から税務対策に神経を使っても
別にさしつかえはありません。

そういう人は仕事をはじめる前に香港に一走りして、
香港の税法やお金の動きや経済の仕組みを
一通り研究しておくのも悪くはありません。
どうしてかというと、
アジアの金融の中心地は香港とシンガポールで、
いずれもかつてのイギリスの植民地でしたが、
どちらもいまは華僑で事業に成功した人たちが牛耳っています。
シンガポールは政府筋に力があって
大きな金融プロジェクトはほとんどが政府資本ですが、
香港は民間の資本家が実力を持っています。

したがって香港の方が民間に有利にできていて、
個人の所得税は一律15%、法人所得税は16.5%、
但し、法人税は香港で発生した利益にだけ適用され、
香港資本が海外で稼いだ利益や配当金に対しては一切免税。
贈与税も遺産税もなし。
銀行金利にも、配当金にも税金はかかりません。
これだけ企業家に有利にできていますから、
香港の企業家たちは日本の企業に比べて、
会社にしても個人にしても、
何倍の速いスピードで資本の蓄積ができます。
香港に世界的なスケールの大富豪がたくさんいるのは、
こうした企業家に有利な税制の下で企業活動をしているからです。

もしあなたがこの恩恵に浴したかったら、
お金だけを移動してきてもうまく行きません。
日本の総合課税制にひっかかってしまうからです。
お金と一緒に自分も住所を移転して
日本の非居住者になる必要があります。
但し、日本の非居住者になる人は香港に住む必要はありません。
つまり日本以外の土地に住んで
投資の根拠地を香港に持てばよいのです。


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2008年1月23日(水)

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