中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2874回
志のある若者は日本に残るな

日本人が外国へ出稼ぎに行くのと、
フィリピンやタイなどの日本より所得水準の低い国から
日本へ出稼ぎに来るのとではわけが違います。
所得水準の低い国から来る出稼ぎは
労働力を提供して
人のやりたがらない仕事に就くのが多いのに対して、
日本のような賃金の高い国からの出稼ぎは、
その国の人ではできない仕事とか、技術の提供とか、
資本を背景としたマネージメントとか、
収入も現地の人に比べてずっと高い分野に限られます。

そういう仕事が日本国内では採算に乗らなくなったので
事業そのものが次から次へと外国に移ることになります。
企業の海外進出の場合は、
企業の一員として海外に派遣されますが、
私が言うのは
新しい付加価値を生むために
海外に出て創業する人たちのことです。
すぐお隣りの韓国や台湾では大へんな数の人が
「民族大移動」をするのに、
日本人に限って日本にしがみついて離れない人が多いのです。

もしこのままの傾向が続くと、
日本に残った人たちが捲土重来して
「夢よ、もう一度」と国内で旗上げに成功するよりも、
外国でも国内でも国際競争に敗れて
没落してしまう可能性が強くなっています。
それを座視しているにしのびないので、
次の時代を背負う若い人たちに、
仕事のたくさんある、チャンスの多い地域への出稼ぎを
アドバイスしているのです。

かつて日本の経済成長時代は日本で事業に従事して
「所得を発生させずして資産をつくる方法」を実践した人たちが
産業界の雄として覇者になりました。
次の時代に同じ野心を持ったとしたら
日本にいたのでは成功できません。
成功を夢見ない人は日本に残って
税金は高いけれども、
それに見合う福祉施設の恩恵に浴する道を選べばいいのです。
でももう少し夢のある人生を送りたい人は、
これから経済成長をするチャンスの多い国に大移動をすべきです。
私ならさしあたり中国か、ベトナムを選びますが、
他にも可能性のあるところはたくさんあります。


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2008年1月22日(火)

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