中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2878
ゴミの山が宝の山に見える人も

そうした汚水処理、ゴミ処理の会社の一つとして、
私は深圳にある東江環保という会社を見学に行き、
この会社は将来性がありますと言って紹介したことがあります。
私を案内してくれた証券会社の総経理さんは
何で私がわざわざ北京から深圳の名も知れない会社を尋ねて行くのか
理解に苦しんだようですが、
当時80セントしかしていなかった同社の株価が
5.6ドルまで上がるのを見て、
もうなぜかなぜかときく代わりに、
次はどちらにご案内しましょうかときくようになりました。

東江の董事長さんは
「ゴミの山を見ると、宝の山に見える」そうですが、
ゴミの山なら中国じゅうどっちを向いてもいくらでもあります。
しかも、早く処理してもらわないと困りますし、
政府も石炭や電力なら値上げ禁止と一喝できますが、
ゴミ処理を値切ったら、もっと大きな山になるので、
早く早くということになります。
おかげで仕事はふえる一方で、
東江の2007年の決算はまだ出ていませんが、
7月から9月までの第三、四半期の決算を見ても
前年比200%の増益になっています。
オリンピックが終ったら景気が悪くなると心配する人がいますが、
ゴミの山も小さくなるのでしょうか。

中国人は人の商売がよいと見ると、すぐに真似をします。
ゴミ屋が景気いいと見るや、不動産や家電屋や金貸しまでが
ゴミ屋やリサイクル屋に早変わりします。
その中からでも業界を代表するような
立派な業績をあげる企業も出現するでしょうが、
金集めと株価だけが先行する
怪しげなニュー・カマーも少くはありません。
そういうコピー産業に振りまわされないように
気をつける必要があります。

というわけで、ことしの1月から12月までの間に、
環境保全にどれだけ政府の力が入るか観察して見て下さい。
恐らく日本からの進出企業も目立つようになるでしょうが、
最先端を行くのは既にフルスピードで走りはじめた企業
ということになるのではないでしょうか。


←前回記事へ

2008年1月26日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ