中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2879
公共投資銘柄に親方日の丸的欠点

公共投資の対象銘柄として環境保全の株を眞っ先にあげましたが、
そういう銘柄はまだホンのいくつもありませんし、
投機の対象にされる
(というより、おもちゃにされる)
可能性がありますので、
充分、気をつけて下さい。
株式市場には大きなお金が動きますし、
殊にサブプライム・ローンで、
びっくりして株式市場から引き揚げたお金が
銀行でしばらく休んでいると、
次第に運動不足をかこつようになりますから、
傷が浅くて従来の見込みのありそうなところへ
駆け込んでくることが考えられます。
恐らくオリンピックが終っても、
中国本土の株式市場の扉はまだ明けてはくれないでしょう。
となると、
さしずめ香港市場ということになりますが、
そうした資金で遊んでもらう
中国の次のめぼしい公共投資銘柄ということになると、
どうしても中国鉄道建設とか、
中国鉄路工程とか、
中国の新幹線や、
主要鉄道の工事を担当する工事会社ということになってしまいます。
何しろ電力会社でも石油や石炭の会社でも
売値は抑えられてしまうし、
銀行は貸出しを抑えられ、
それが不動産を販売する会社の業績にまで及びますから、
業績の伸びがさして期待できません。
その分、
政府が代わりにお金を使って
公共投資の充実を図る方に目をつけるとすれば、
2008年から9年にかけては別の銘柄が狙われることになります。

ならばその動きに
ついて行けばいいじゃないかということになりますが、
私が嫌がっていることがあります。
それは中国の建築や土木工事の大半の仕事が
国営事業だったことです。
中国の鉄道工事をやってきたのも親方日の丸的な、
かっての日本の国鉄のような腰の重い企業ですから、
人気が集中して株価が先行しても
業績がそれに追いつかない心配が出てきます。
つまり長期にわたって株主を勤めるに値いしないのではないか
ということです。
そのことを承知の上で利鞘を稼ぎたい人にとってはもちろん、
大して問題にすることではありませんが。


←前回記事へ

2008年1月27日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ