中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2880回
道路工事も公共投資の仲間です

かなり前に私が公共工事で潤おう仕事に目をつけたことがあります。
高速道路株はその一つでしたが、
全国的に高速道路網がほぼ完成しても、
その下を通る普通の道路は舗装も完全ではないし、
発注した政府の要人たちが袖の下を要求すると、
手抜き工事で道路がすぐにガタピシになってしまうので、
「やあ、この街の道路も汚職道路だな」
と私は何回も冗談をとばしたことがあります。
でもかなり前から
さすがに新しい汚職道路は見当らなくなってしまいました。
それでも広い中国のことですから、
これから手をつけなければならない道路工事が
まだ無数に残っています。

ところが、狭い日本と違って、
そうした道路工事を全国的規模で請け負う道路工事会社が
中国には一つもありません。
上場会社をしらべているうちに
上海棟華というアスファルトの会社が一社見つかりました。
ニチレキみたいな会社かなと思って
本社まで行って色々きいて見ると、
道路の素材を生産する会社ではなくて、
アスファルトを輸入して道路工事の施工会社に
供給しているだけだということがわかりました。
しかし、アスファルトの供給を
工事場に間に合わせるだけでもかなりの設備が必要で、
相応のお金もかかれば、
倉庫や船までうまく活用しなければなりません。
しかもやっているうちに、
安定した販売先を確保するために、
自ら道路工事会社まで傘下に入れることを考えているので、
仕事も無限にあるが、資金需要も旺盛なことがわかりました。

ならば成長株の一つに数えてもいいのじゃないかと考えて、
長期投資の対象の一つにすべく株を集めにかかったら、
突然、増資の第三者割当てを、
それも市価の半値でやると発表したので、
私は怒り心頭に発しました。
私が第三者を通じて抗議を申し込むと、
「言われて見れば確かにその通りです。
株主にも同じ値段で割当てますから」
ととても素直に応じてくれました。
しかし、それが実現するまでに1年以上もかかり、
その間、業績の伸びも停滞してしまったのです。


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2008年1月28日(月)

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