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第2948回
でもオリンピック前は事を起す絶好のチャンス

外国には中国のことを心よく思っていない人たちがたくさんいます。
中国の経済発展に対して嫉妬まじりの批判をする人も
それに負けないくらいいます。
かつて日本が日の出の勢いで発展していた時に
ジャパン・バッシングが盛んだったことは
まだ皆さんの記憶に残っている通りです。

そういう人たちは北京オリンピック前に、
何か中国が面子を失うようなことが起ればいいと
ひそかに期待しています。
オリンピック前は
中国も武力に訴えることを控えざるを得ませんから、
チベットや台湾など政治的に未解決の問題を抱えている地域では
事を起す絶好のチャンスでもあります。
台湾で陳水扁が次々と難題を持ち出して、
中国よりもアメリカを困らせてきたのも、
この時を逃しては二度とチャンスがないと思っているからです。
チベットで坊さんたちが漢人を狙って暴行を加えるのも、
世界の注目を浴びたい一心からで、
決して偶発的なものではありません。

独立とか、自治とか、そんなに簡単に片づかないことを
中国だけでなく、世界中が抱えています。
台湾の場合は、一足先に台湾に渡ったいわゆる台湾人と、
蒋介石について戦後渡ってきた人々との間のぎくしゃくが、
中華人民共和国と中華民国との対立に受け継がれ、
更に中華民国の中で
独立を志向する民進党が政権を握るようになって8年、
結果は国民党時代よりも利権争いと汚職まみれの台湾に
転落してしまいました。
「義経びいき」の日本人は
大陸にいじめられている台湾人の抵抗に
同情的な人も少くはありませんが、
現実は台湾の主要産業の9割方が大陸に既に進出しており、
1年に470億ドルもの黒字を台湾にもたらしています。
台湾人の方が経済的に先を進んでいるし、
大陸でもそれなりに尊重されているので、
台湾人が不当に扱われていることはありません。
あとはお互いに政治的に満足のできる解決策を
どう見出すかに搾られますから、
少し時間がかかりますが、
チベットと同時に論ずることはできないと思います。


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2008年4月5日(土)

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