中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2955回
オリンピックのあとは株価が高い?

オリンピックが終わったら、
中国の経済も祭りのあとの
後片づけをする時代に入ると考えている人が結構たくさんいます。
現に株価が大下げに下げたり、
不動産の値段が北京を除いて全国的に起っているのも、
そうした動きを反映していると見てよいでしょう。

でもあと片づけに入っているにはアメリカの貿易赤字と
紙幣の濫発であって、
日本も中国もそのとばっちりを受けているだけのことです。
濫発した紙幣で買いまくったアジアの国々の株や不動産を
金ぐりに追われて叩き売る現象が続いていますが、
売りが一段落つけば、
日本の証券市場も香港の証券市場も落着きを取り戻します。
その時期がちょうどオリンピックの開催時期と重なり合うので、
もしかしたら、
オリンピックの花のひらく時が景気の底を通過する時期で、
いよいよ中国経済のアメリカ離れがはじまるのではないでしょうか。

もちろん、中国の最大の顧客はアメリカですから、
アメリカが不況におちいれば、
人民元の切り上げと重なって
対米輸出で息をついてきたメーカーや
輸出業者は更に苦境に追いこまれます。
しかし、
苦境に追い込まれる当事者ほど眞剣に対処するにきまっているし、
アメリカが不況で消費が減少すれば、
高い物より安い物の方が売れるようになりますから、
中国製品に不利な環境ではありません。
したがって選りに選んで
輸出を専門とする銘柄を投資対象に選ぶことはありませんが、
対外輸出は駄目でも国内消費が
それを補って余りある動きが現実に続いているので、
株が下げとまって反転する時期が必らずきました。
その時期を私は今年の10月以降、
といまの時点では予想しています。

したがって、
ここのところで誰の目から見ても
明らかに下げすぎだなと映る銘柄は、
次の時代の注目銘柄です。
資源株や素材株が冴えない動きになっていますが、
いずれも研究の対象にとりあげていいのではないでしょうか。


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2008年4月12日(土)

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