中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2957回
保険の株は安い時がいつも仕入れ時

私は中国人寿の株が上場した時、
自分が生命保険に加入した積りで、
この株を買ってジッと持ち続けることをすすめたことがあります。
どうしてかというと、
台湾に国秦人寿という生命保険の会社があって、
私が37年前に亡命先の日本から乞われて台湾に帰った時、
額面10元の株が20元くらいしていましたが、
台湾の経済が高度成長期に入ると、
それが何と2000元まで値上がりするのをこの目で見てきたからです。
同じ金融業者でも、
銀行は企業やマンションやマイカーを買う人にお金を貸し、
不良債権になることもあれば、
金の儲かるチャンスを目の前にして政府に干渉されたりしますが、
保険会社は生命の惜しい人たちから只で集めたお金を
優良株や不動産に投資します。
経済が発展しはじめると、
これらの投資物件が次から次へと値上がりに値上がりして
信じられないような巨大な財産に育つからです。
「ですから、保険に加入した積もりで長期投資の対象にして下さい」
と言ったら
「いつが売り時ですか」とすぐにききかえされました。
「あなた保険に入って途中で解約しますか」
と私も負けずに言いかえしたことがあります。

その後の動きを見ていると、
高値は50元をつけましたが、
いまはその半分まで値下がりしています。
運用している株の値段も
恐らくその半分くらいまでに減っていると思いますが、
私は4元あまりで買った株を、
元金は回収しましたが、
儲けはそのまま蔵の中にしまっています。
こういう株は安値の時に仕入れて、
高くなりすぎたら換金してももちろん、かまいませんが、
安くなったらまた補充して
ジッと持ち続ける性質の株だと認識しています。

但しもう1つの
中国人民財産保険の方も同じ時期にとりあげましたが、
梃子でも動かず、
とうとうしびれをきらした3元台で売りとばしたら、
何と17元まで暴騰しました。
私の不明を嗤いたい人たちがいまでも絶好の材料にしています。
Qさんの言うことをきくのもほどほどに、
というまたとない実例です。


←前回記事へ

2008年4月14日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ