中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2958回
輸入で稼いでいる食品業者を探がせ

アメリカの不況と人民元の切り上げで、
中国の輸出産業は向かい風を受けています。
そんなことは百も承知ですから、
どこのメーカーも輸出業者も必死になって対策を練っていますが、
完全に消化できない企業は
業績の後退を免れることはできません。

たとえば毒入りギョウザで新聞を賑わせた
ギョウザの対日輸出を専業とした食品メーカーは
犯人の特定ができず、
お役所も「臭い物に蓋」で終わらせようとしましたが、
その結果は日本のスーパーやコンビニから敬遠されることになり、
恐らく商売が成り立たなくなってしまうことでしょう。
中国人は勤め先に恨みがあったら、
会社に一矢報いてやれと考えるのは日常茶飯事であり、
現に国内でもさまざまな不祥事が起こっています。
事を大きくしないことが逆効果になることを知らないお役人さんが
結果として会社を潰すことになることは
避けられそうもありません。

しかし、仮に犯人を探がし出して、
衛生上の監督管理をきびしくしても、
農産物や加工食品の輸出は
時と共にコスト高になることは避けられそうもありません。
豚肉は短期間に5割以上も値上がりしましたし、
メリケン粉や食用油にも同じことが起こっています。
日本の輸入業者は頑なに値上げを拒否しますから、
食品加工メーカーはいつまでも同じ方向を向いて
商売を続けることができなくなります。
現に日本の食品加工メーカーが素材の品質を誤魔化したり、
海外での生産に切りかえたりしているのを見てもわかります。
工業化がすすむにつれて、
食品はコスト高に悩まされるようになるのです。
同じことが中国国内にも起っていると考えるべきでしょう。

そうだとしたら中国で作った食品を
中国人に供給する食品メーカーではなくて、
いっそ外国から食品を輸入して
中国人に売ってお金を稼いでいる業者があるかどうか
探がした方がいいのではないでしょうか。
そう思って探がして見ると、
上場企業の中にそういう商売をやって
稼ぎに稼いでいる業者がちゃんとあるんです。


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2008年4月15日(火)

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