中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2966回
いちいち為替レートを気にするな

日本人は円を使いなれているので、
物を買う場合でも、外貨で海外投資をやっている場合でも、
つい日本円に換算して安いとか高いとか、
あるいは儲けたとか、損をしたとか、考えてしまいます。
ブランド商品は、同じ商品を手に入れる価格ですから、
ヨーロッパで買った方が安いか、香港で買った方が安いか、
もしくは香港と東京とどちらが安いか、
時のレートで換算すれば、すぐに答えがでてきます。

でも、株を買ったり、不動産に投資する場合は、
為替レートが毎日のように動いても、
そんなことをいちいち気にしていたらとても身体が持ちません。
海外投資をやるにあたって、
慣れていない人が最っ先にきくことは
「そのお金は持って帰れますか」ということで、
その次は「日本円になおすといくらになりますか」
ということです。

もちろん、持って帰れないお金では
誰でも二の足を踏んでしまいますが、
まだ持って出ないうちから
早くも持って帰る心配をしているようじゃ、
いっそ持って行かない方がいいんじゃないかと
ついアドバイスしてしまいたくなります。
私などは一旦、家から持ち出したお金は
持って行った先に落着くお金で
ふえたお金はもとよりのこと、
元金もその土地に居ついてくれればいいと思っています。
ですから「日本円になおしたらいくらか」と
いちいち神経質になって考えることはありません。
そんなことよりも、お金が働きに行った先で
どういう扱われ方をするか、
またお金を儲けた場合、
どのくらい税金をとられるかの方がずっと心配です。

と同時に、投資先の通貨が将来、強くなる通貨か、
それとも弱くなる通貨かを気にします。
たとえば、アメリカなら
将来、弱くなる通貨と思っていますから、
よほど耳寄りな話でない限り誘いには乗りません。
反対に中国の投資なら人民元は強くなる通貨だし、
人民元で持っている財産は値上がりする方向に動きますから、
為替レートなどさして気にしません。
仕事をやるなら通貨の強くなるところで、
ということになります。


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2008年4月23日(水)

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