中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2978回
看板倒れのモーリシャスは一度でたくさん

マダガスカルまで遠路をとんだのに、
すぐお隣りのモーリシャスまで足を伸ばさない手はないと
周囲からアドバイスを受けました。
私は次々と変化するお金の流れには興味がありますが、
リゾート地にはそれほど関心はないので、
あとは衆議に従ってモーリシャスに行くことを承知したのです。

モーリシャスはマダガスカルから1時間余りの旅程ですが、
印度洋の中にある甘蔗の栽培をしている地帯の小島です。
住民もインド人が一番多く、
料理はカレーがかったものばかりで、
見る物も食べる物も買う物も、そして遊ぶものも何もありません。
ホテルで骨休めをしているよりほかないところです。
同じ骨休めをするのなら、
私ならバンコクか、プーケットを選びますが、
ヨーロッパではもしかしたらリゾートとは
何もしないでジッとしているところのことかも知れません。

私たちの泊ったリゾートにしても
新しくできた外見だけはさも豪華な建物でしたが、
文化や伝統のないところに見様見真似で建てていますから、
風情もないし、デザインもちゃんとしていません。
その上、インド人のウエイターは
ヨーロッパや日本のウエイターほど気がききませんので、
わざわざ行って見るほどのところではないなあ
という印象を受けました。

2泊してまたマダガスカルに戻る時、
私の秘書は航空会社のフロントで出発をさしとめられました。
パスポートに空白のページが2ページ以上ないと
出国許可ができないというのが理由でした。
2ページのうちの1ページは
裏のページのスタンプが浸み込んでいるから
空きページと見なさないというのです。
危うく秘書だけ置いて帰るところでしたが、
観光をビジネスにしている国でこんな無神経なやり方ですから、
誰が来てやるものか
と同行の人たちは思ったのではないでしょうか。
出発ぎりぎりになってやっと搭乗券をくれましたが、
印度洋にある
「この世のものとも思えない世界のリゾート」
というのは看板倒れですね。
二度と行くほどのところではありません。


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2008年5月5日(月)

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