中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2977回
マダガスカルとベトナムを比べて見ると

マダガスカルとベトナムも同じ旧フランス領です。
フランス人が統治していましたので、
フランス語もフランス料理もある程度、根を下ろしています。
パンも常食の一つとして定着していますし、
ワインを飲む習慣も、恵まれた人々の間だけでしょうが、
レストランには残っています。

しかし、先進国の文化をその国の人たちがうまく生かせるかどうかは
その国に住んでいる人たちの資質と
あとを受け継いだ政府のレベルが決めることです。
いま私たちはベトナムを
中国に次ぐ経済発展の有力候補地として注目していますが、
ベトナムとマダガスカルを見比べると、
天と地ほどの差があります。
ベトナムはホーチミンに行ってもハノイに行っても
大へんな勢いで開発が続いているし、
ビルラッシュも進んでいますが、
アンタナナリボに行くと、
私たちが泊ったカールトン・ホテルの15階建てが最高層の建物で、
新しい建築現場はほとんど見当たりません。

ベトナムは料理の水準がもともと高かったせいもありますが、
フランス料理を受け入れても一定の水準を保てるのに対して、
アンタナナリボは全く話になりませんでした。
なかでも驚いたのは動物園を見学に行った時の入場料でした。
モロンダバでろくに猿にも出会えなかったので、
いっそ首都の動物園に行って見たらということになったのですが、
動物園の入場料は現地人が4百アリアリに対して
外国人は何と25倍の1万アリアリだったのです。
1万アリアリは約600円ですが、
外国人は金持ちだから25倍ふんだくってやれという考え方では、
どうやって次のグローバル化時代を
生きて行くことができるのでしょうか。

4日間だけの滞在でしたが、
私たちにとってはとても勉強になりました。
次の時代は他所見をしないで、
ベトナムに目を向ければいいことがはっきりしたからです。
そういう意味ではマダガスカルは
反面教師としての役割を立派にはたしてくれました。
やはり次はベトナムであることに間違いはありません。


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2008年5月4日(日)

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