中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2986回
損切りできなければ、儲けきれません

株価の下がる時は良い株も悪い株も同じように下がります。
しかし、次の時代は経済の環境が変わりますので、
前の時代の良い株がそのまま元に戻るのではありません。
良い株と悪い株の入れ替わりもありますし、
もっと悪くなる悪い株もあります。
ですから、株価の下がっている時は、
持ち株の入れ替えをするまたとないチャンスなのです。

その場合、誰でも一番気にするのは買った時の値段です。
相場が買い値より上にある場合は、
あまり儲からない場合でも
「もっと上がりそうな株に入れ替えるのだから仕方がない」
とあきらめがつきますが、
自分が買った時の値段の半分とか3分の1に値下がりしていると、
その差額分、損をするわけですから
なかなか思い切りがつきません。

それならば、元の値段まで戻るのを待つかというと、
自分も愛想をつかしたような株が元へ戻るとも思えないし、
戻るまで待っているうちに、
新しく見つけた株が
ドンドン先に値上がりしてしまうかも知れません。
実際はどちらが先になるかはわからないし、逆の場合もあり得ます。
そこは運半分、判断半分ということになりますが、
誰だって自分の判断を優先させようとします。
すると株の入れ替えをする時は、
前にも申し上げたことがありますが、
株の諺にもあるように
「建値を忘れよ」(買った時の値段は忘れてしまえ)
ということになります。

もしこれができないと、上がった株は全部売ってしまい、
下がった株が全部、手元に残ってしまいますから、
「世界中のボロ株の蒐集家」ということになってしまいます。
こんなやり方で億万長者になれるわけもありませんから、
私は上がった株の元金だけ回収して、
タダになった株を残せば、
資産の大半がタダになって
大暴落をしても涼しい顔をしておれます
とすすめているのです。
その半面、損切りをする時は買値でくよくよすることはありません。
間違えるかも知れませんが、
間違った分は間違わなかった分で取りかえせばよいのです。


←前回記事へ

2008年5月13日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ