中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2987回
ナンピンも長期戦で行きましょう

いま香港の中国株で大きく値下がりしている株は
業績のおかしくなった株ではありません。
外国の投資信託や投資銀行が手持ちにしていた株で、
金ぐりのために投げ売りの対象になっている株です。
ですから投げ売りが終われば、元へ戻るか、
少くとも他の株とバランスのとれた水準まで
戻っておかしくない株です。
むろん、そのなかには次の上昇期にトップを走る
業績のよい優良株も含まれています。

ですから投げ売りで株価が予想外の安値をつけた時は
ナンピンのチャンスであることに間違いはありません。
しかし、株の売られ方を見ていると、
投げ売りは一ぺんでは終わるとは限りません。
値段かまわず投げ売りをすると予想外の新安値をつけます。
安値はそう長くは続かないのが普通ですから、
投げ売りがとまると、株価は急速に戻ります。
ところが「うまくやったぞ」と喜んでいると、
また次の投げ売りがはじまって、
うっかりすると前回の安値を割ることがくりかえされます。
つまり機関投資家の投げ売りは背に腹は返られないような投げか、
他人の金だから何ら意に介さないのか、
とにかく容赦のない損切りですから、
ナンピンをやるにしても1回では終わらないのです。

「そんなことを言っても、鉄砲玉は1発しかないよ」
という人は泣きべそをかくよりほかありませんが、
世界的スケールのバクチ打ちを相手のナンピンですから、
持っている鉄砲玉は一ぺんに打ち終わってしまわないように、
小出しにするだけの知恵を働かせる必要があります。
もう既に打つ玉の尽きてしまった人は
ジッとガマンすることになりますが、
今回のナンピン・シーズンはすぐには終わりそうにありません。
何しろ世界中の上から勘定した方が早いバクチの親玉たちが
思い切って投げ売りをしてくるので、
勝負は一ぺんでは終わりそうもありません。
今回のナンピンは長期戦を覚悟する必要があります。
少くとも北京オリンピックが終わるまでは。


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2008年5月14日(水)

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