中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2989回
配当しない準国営企業の株は買うな

中国株の銘柄選びをするに際して、もう一つ重要なことは、
株主を大事にする企業であるかどうかです。
十何年前、まだ証券取引所が復活する前は、
すべての企業が国家のものでしたから、
国営企業の経営者は
政府から任命された役人によって経営されていました。
役人ですから、経営で業績をあげることよりも、
上司の顔色を見ることの方が大切で、
国営と言えば非効率の代名詞のようなものでした。

取引所ができて、株が上場され、民間人が株主になってからも、
この傾向はなお続いています。
特に株の大半を国が所有している大企業では
監督官庁の意向に大きく左右されるので、
大へんな利益をあげても、株主に配当するどころか、
平気で無配を続けているのが1社や2社ではありません。
配当をしても自分たちのふところに入るわけではないし、
再投資に莫大な資金がかかるので、
無配にしても全く痛痒を感じないのです。
そういう企業の株でも好業績が続くと株価は買い上げられますが、
株主に酬いることを知らないのですから、
そのうちにだんだん人気を失うようになります。
特に長く持っていても「絵に描いた餅」を持っているだけですから、
そのうちに高値を買う人がいなくなってしまいます。

オリンピックのあとは公共投資に力が入ると私は言いましたが、
公共事業関連株の大半が準国営企業です。
鉄道や道路や港湾の設備をやる企業に
これから人気が集中するでしょうが、
その中にはお金はたくさん儲かっているのに、
全く配当もしない企業がたくさんあります。
そういう企業は長く持っていても
お金を株主に分けてくれない企業ですから、
投資家としては最初から無かった物として避けて通ることです。
何もそんな株を選ばなくとも、お金も儲けるけれど
株主にもそのおすそ分けをしてくれる企業が
ほかにたくさんあります。
日本ではそんなことを気にしなくともいいのですが、
中国株を買う時はそういうことにも神経を使う必要があります。


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2008年5月16日(金)

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