中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2988回
時代の波に乗る銘柄を見つけて下さい

株価が安値に勢揃いして次の勝馬は何番かを選ぶに際して、
何を基準にするかはなかなか微妙なところです。
もちろん、増収増益が見込まれる株であれば、
どんな業種だろうと注目に値しますが、
その時代の波に乗った仕事であるかどうかは
もっと大きく影響します。

いまの時点で言えば、
世界的な不況に突入するかどうか、
また人民元の切り上げのスピードがどうなるかが
中国企業の業績を大きく左右します。
同じ成長産業でも製品の輸出をしている企業と、
製品の輸入、もしくは内需に支えられている企業では
風の向きが違うので、
1年たち、2年たって見ると成長に大きな差が生じます。
たとえばギョウザをドル建てで輸出している企業は
毒入りギョウザに前途をはばまれなくとも、
だんだん経営困難におちいることは目に見えています。
反対に食品の輸入をやれば、
中国国内の消費はふえる一方だし、
物価の値上がりの波にもうまく乗れます。
その上人民元の切り上げが進めば、
その度に仕入れ値段がダウンすることになりますから、
荒利はふえる一方です。

そういう商売をやっている上場企業はないものかと
関係資料をひっくりかえして見ていたら、
香港株の中で一つだけ亨泰(0197)という
食料を主としてタイで冷凍包装して中国に輸入し、
広州、上海、北京、
そして最近は成都で卸売販売をしている会社が見つかりました。
最近はタイだけでなく、アメリカやヨーロッパからも
中国で売れる食品を手がけるようになっていますが、
資本金1千4百万ドルに対して積立金が14億ドル
(ことしの6月の決算ではそれを超える見込み)、
2007年末の半期の計上益が1億2千8百万ドル
(前年同期比73.82%増)ですから、
この6月の年間決算では3億ドルに計上益が届くかも知れません。
荒利が20%を超える食品会社はそんなにたくさんはありませんから、
康師傅よりもっといい風に乗っていると思いました。
でも私の言うことを鵜呑みにしないで
ご自分でもよく研究して見て下さい。


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2008年5月15日(木)

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