中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2993回
とりあえず三通の実現からスタート

今日は台湾では新総統の就任式です。
8年続いた民進党の時代が終って、
何一つ台湾のためになることをやらなかった陳水扁の退任によって、
香港生まれの馬英九の時代がはじまるところです。

馬英九は台北市長選では陳水扁を打ち破り、
総統選では陳水扁のあとを継いだ謝長廷を打ち破って
運の強さをまざまざと見せてくれましたが、
そんなに経済に強い人ではありません。
でも副総統になった蕭万長が
それを補ってあまりあるだけの知識と経験を持っているし、
大陸との交渉の先頭に立つ江丙坤も経済官僚の出身ですから、
台湾海峡を挟んだ両岸の「人とお金の往来」は
短期間に急速な伸展があると思います。

とりあえず7月始めから
北京、上海、広州との間に包機(臨時便)をとばし、
交渉がまとまれば、定期便をとばす予定だと新聞は報じています。
何しろ台湾では台北と高雄間に新幹線が開通してからは
国内航路が開店休業におちいり、
遠東航空をはじめ、
中小航空会社は整理寸前まで追い込まれています。
大陸との航路が新しくひらかれれば、
中小航空会社もホッと一息つけますが、
大陸との間を往来している
100万人をこえる大陸進出企業のスタッフたちにとって
これほど有難いことはありません。

既に台湾の有力企業の9割が大陸に進出しており、
政府による嫌がらせがこれで順次解消されるでしょうが、
それ以上に大陸の人たちの台湾入りに門がひらかれれば、
1年に何百万人もの観光客の台湾入りが現実のものになります。
それを見込んで台北市をはじめ、
日月潭のような観光地では既にホテルのブームがはじまり、
土地の値上がりもウナギのぼりです。
10年前に香港で起ったことが台湾でも起ろうとしているのです。
ところで台湾の将来はどうなるのでしょうか。
どうなるかはこれから双方で決めることです。
軍事力で決めることでなければ、
当分は現状のままと思って下さい。
アジアにとって悪い方向ではない筈です。


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2008年5月20日(火)

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