中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3003回
「災害に売りなし」の実地見学に

四川省の大地震は、
唐山の大地震以来の、それも唐山を上廻る大地震であることは、
皆さん、連日の報道でご承知の通りです。
成都市内はさして被害はありませんでしたが、
うちで働いている従業員の中には
罹災地から来ている人もいますので、
できるだけのことをやってあげなければいけませんが、
これだけ大きな損害を受けても
株価には全く影響をあたえていません。
現地に生産工場があって、
生産に支障をきたすような建物や設備の損害があれば別ですが、
道路がこわれたり、
町全体を建てなおさなければならないと言った被害は
新しい需要を生むことになるので、
昔から「災害に売りなし」と言われています。

たとえば戦争は大へんな災害をもたらしますが、
戦争がはじまると、一大消耗戦のはじまりなので、
生産が刺戟され、景気がよくなります。
1929年の世界大恐慌のあと、
アメリカではルーズベルトが先頭に立って
公共事業をはじめさまざまな不況対策を試みましたが、
何をやっても大した効果がありませんでした。
それが日米開戦になると、
需要不足でなかなか回復しなかった景気が
一挙に立ちなおったのですから、
人間のやること
そう感心したことばかりではありません。

しかし、もう起ってしまったことは仕方がありません。
神戸の大地震だって、新潟の大地震だって
罹災者にとっては大へんなショックですが、
日本経済全体から見たら、新しい刺戟になって、
景気が落ち込むどころか、恢復する足がかりになっています。

私が以前にとりあげた維奥生物とか、
最近注目している中国消防はいずれも成都に工場を持つ企業ですが、
大地震のあと被害がなかったこともあって、
「災害に売りなし」を実証するような株価の動きをしています。
とりわけ建築ラッシュになれば
中国消防にとってはまたとないチャンスですから
新しく稼動をはじめた本社工場の見学に行くことになっています。


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2008年5月30日(金)

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