中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3018回
改善を念頭にコーヒーの産地に乗り込む

コーヒーは植えて3年たったら
実がなりはじめることはわかりました。
でも現地のコーヒーの加工場で
自分たちでコーヒー豆を植えているところはありません。
コーヒー豆を植えている農民から時価で豆を買いあげて
加工して業者に売るのが大半で、
スケールもそんなに大きなものではありません。

私たちはと言えば、
いずれ工場も建てなければなりませんが、西も東もわからないので、
先ず既存の工場に頼んで、
こちらの要求する方法で加工をやってもらいました。
とりあえず私たちが要求したことは
コンクリートの地べたで乾燥をする代わりに
台をつくってアミを張り、その上にのせて乾燥する方法でした。
そうやって仕上げたコーヒーは、
コストも高いし、量も少いし、
とても採算にのる代物ではありません。
向うの人は品種によって分けたりせず、
目方で仕入れて来て乾燥させるだけですから、
私たちがティピカとか、カチモールとか、
品種によっていちいち分けるのを怪訝な目で見ているだけでした。
実は私たちの本当の狙いは、
品種によって全然、味が違うので
品種別、また等級別に製品を仕上げることです。
ティピカはジャマイカのブルーマウンテンと同種で、
味はいいのですが、粒が小さいのと虫食いが多いのとで、
雲南のような品種の区別がなく目方売りをするところでは
歓迎されないのです。
ですからそのまま放置しておくと、
次に植え変える時はベトナムやインドネシアと同じ
安いコーヒーに植えかえられてしまいますから、
やがて幻のコーヒーになってしまうことは目に見えています。

そういう危機感もあったので、
私たちは先ず品種別に分けることと、
できのいいのと悪いのと等級別に分けることを考えました。
そのために自分たちで新しい工場を建て、
またティピカのコーヒーを毎年、
自分たちで苗木から植える計画を立てたのです。
最初から現地に乗り込み、弱気ひとつ口に出さず、
今日の形にまで仕上げてくれたのは、
ハイQでも皆さんお馴染みの村田考市君です。


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2008年6月14日(土)

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