中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3022回
ソバの原産地でソバづくりの改良を

雲南省にはソバの名産地があります。
雲南省のソバ粉にはルチンがたくさん含まれている
という記録もあります。
でも日本のようなソバを食べる人はおりません。
ソバはもともと貧乏人の食べ物で、
飢饉の時に不作の稲を抜いて
急場の間に合わせにつくったものです。
ですから等級の区別もありませんし、
コーヒーがそうであったように、
いいソバも悪いソバもごったまぜにして
1キロいくらで売られています。
日本のように1俵1万8千円のものもあれば、
6万円もするものもあるということがないのです。

コーヒーと同じように何とか日本人の手で
一級品、二級品、三級品という等級別ができないものかと考えて、
わざわざ日本から手打ちソバの職人まで連れて
現地に乗り込んだこともあります。
ソバをつくっている人たちに
現地で実演して見せて試食してもらったこともあります。
おいしいおいしいと褒められましたが、
あるいはただの外交辞令だったかも知れません。

私たちが等級別をして見せたり、
手打ちソバをつくって見せても、
それぞれ嗜好の習慣がありますから、
中国人のあいだで普及しないかも知れません。
でも日本人の大好きな手打ちソバの原料だし、
改良改善すればかなりいい物ができる可能性もあるし、
少くとも日本に輸出することができます。
またソバ粉を使って
中国人の嗜好に合った新製品をつくることも可能です。
現にソバ粉を主原料にしたカステラをつくって
昆明市主催の盛大なパーティをやった時に
わざわざ注文をもらったことが2回も続きました。

うちの工場の責任者が途中で入れかわったこともありますが、
いまは新しい責任者に入れかわって
皆張り切って開発に力を入れています。
やりたいことはまだまだたくさんあります。
何千年も続いてきた雲南省を代表する
普洱茶(プーアール茶)の改良にも
野心を燃やしているところです。
日本人ならできそうなことがいくらでもあるのです。


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2008年6月18日(水)

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