中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3049回
ナンピンするなら時間をかけて

中国株とサブプライム・ローンの失敗は
あまり関係ないと言いましたが、
それは各社の業績のことであって、株価のことではありません。
中国株が大揺れに揺れて、
高値から半値を割るところまで落ち込んだのも、
実はサブプライム・ローンの金ぐりに追われた欧米の金融機関が
投げ売りを断続的にくりかえしているからです。

過去においてもそういうことが何回かあったので、
アメリカの投信がどんなやり方をするか、大体の予測ができます。
投信の投げ売りは背に腹はかえられない動きだし、
元を言えば、自分のお金ではありませんから、
売ると決めたら、値段にかかわらず、徹底的な投げ売りをします。
アリババや玖龍紙業の投げ売りを見たらよくわかります。
業績もいいし、成長過程にありますので、
ジッと持っておれば、やがて実りの期待できる銘柄です。
またそれだからこそ投信がせっせと仕入れをして
高値をつけたのです。

しかし、逆風になって
何が何でも換金しなければということになると、
値段を構わず売り叩くのも投信です。
いくら何でもというところまで売って、
売りどめたところで株価は戻します。
しかし、そこでまた売って
最初の時よりもっと下値まで売り叩くので、
最初にナンピンした者は皆、バカを見ます。
投信のやり方の方が正しいわけではありません。
最初にとびついてナンピンをかけた人でも
相場が戻れば充分、酬いられるでしょうが、
同じナンピンをかけるのでも、
気長に何回にも分けてナンピンをした方が
ずっと有利な投資ができるのです。

アメリカやヨーロッパや
もしくは香港の銀行を使って投資している外人投資家の
中国株に対する投げがはたしてどこでおしまいになるかは、
誰にも正確にはわかりません。
しかし、それがいつかはおしまいになって、
逆転した動きになることは必らず起ります。
「あわてる乞食は貰いが少い」と言いますが、
ナンピンをかけるにしてもあわてないことが必要なんです。


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2008年7月15日(火)

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