中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3048回
中国株の中の高収益銘柄を探がせ

お隣りの国との壁がほとんど取りこわされて、
お隣りで何が起ったのか、筒抜けに見えてしまう時代ですから、
よその国で起ったことがすぐこちらにも影響してしまいます。
ましてやお金は人間より素早く反応しますから、
どこかで株安が起れば、連鎖反応で世界中で同じことが起ります。
今回の場合は、中国で最先に株の暴落があって、
それが本来、何のかかわりもない
サブプライム・ローンにつながったのですから、
期せずして世界的な金融不安となって
大爆発したと見ていいのではないでしょうか。

しかし、中国で起った株安は中国国内にその原因があり、
サブプライム・ローンとは直接の因果関係はありません。
サブプライム・ローンによる損害は、
大銀行の一部にもありましたが、
それが中国全体の株安にまで及んだわけではありません。
中国の株安は中国経済が新しい曲り角に来たからであって、
そのきっかけは輸出黒字がもたらした過剰流動性と
人民元の切り上げの遅れと、
その次の段階で起る人手不足と
食料の不足と資源の不足が錯綜して起ったものであります。
その影響は産業界全体に及んでいますが、
産業界全体は成長過程にあり、
業績を見ても決して一せいに下降線を辿る方向にありません。
それどころか、業種や銘柄によって
空前の高収益をあげている企業も少くはありません。
それでも不況と金融引締めの声をきくと、
一せいに無配を決め込んでいます。
株価が一せいに下降線を辿っているのも、
そうしたムードによるもので、
産業界の実勢を反映したものではありません。

でもそうしたムードを卒業するのには少しばかり時間がかかります。
私はそれを凡そ半年と見ていますが、
風の方向が変わると、
今度はいままで見落していた好収益の企業を
改めて見直すことになります。
ですから物事を難しく考えずに、
金融引締めのさなかでも
好収益をあげている企業はどこかに焦点をあてればいいのです。


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2008年7月14日(月)

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