中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3078回
それでも海外収益はふえる方向です

中国で外貨がこれ以上ふえ続ければ、
日本のようなバブルの崩壊が
発生するチャンスがないとは言えません。
とりわけふえた外貨を民間から人民元を回収しないで、
政府主導で海外投資にまわすようなやり方をすれば、
過剰流動性にストップをかけることができないので、
輸出が困難になるほど物価が高くなるだろうし、
株も不動産も暴騰を続けますから、
やがてその反動に見舞われる時が来ます。

しかし、仮りにそういうことが起るとしても、
いますぐにも起ることではなくて、
多分、あと十年か、二十年くらいは次の成長期が続きますから、
いますぐ成長の波から下りる必要はありません。
いますぐ下りると成長の波に乗りそこなって
お金儲けをするチャンスを見失うことになります。
ビジネスに従事する人にとっては、
政府がそういう失敗をすることも考慮に入れて、
そのとばっちりを受けないように
準備をする必要があるということです。

仮りにバブルの崩壊必至と見ても、
そこに至るまでに恐らく中国経済は
いまの十倍ものスケールになっているでしょう。
そうしたプロセスを生きるのが人生ですから、
はじめから用心して何もやらないわけには行かないのです。
ですから、下手をやれば、
また日本と同じことをくりかえす可能性も濃厚だけれど、
その間に成長する分野もたくさんあるし、
また破産する企業もあるだろうけれども、
株価が五倍にも十倍にもなる
上場企業があることに間違いありません。
ですからそうした環境の中で、
自分はどんな選択をしたらよいのかというのが
次の時代の私たちの生き方だということになります。

日本の多くのオピニオン・リーダーたちが
中国の経済発展を嘲笑している間に、
日本企業の中国進出はドンドン進み、
企業の海外収益は昨2007年だけでも
5.5兆円にのぼるようになったと報道されています。
いつの時代も尊皇攘夷論は盛んですが、
それを乗りこえて新しい時代がはじまるのですね。
お金を稼ぎたかったら、マルコポーロがいいですよ。


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2008年8月13日(水)

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