中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3119回
ドルだっていつまでも黙っていません

私は9月までがナンピンの季節で、
10月になると上昇ムードが戻ってくると思って、
それこそ1セントきざみに買い指値を続けてきましたが、
その通りにならないこともあり得ます。
ですから、天下の大勢を無視して人と反対のやり方をするのには
かなりの勇気が必要です。

現に、アメリカ発世界大不況のハリケーンは、
日本が不動産不況から長く立ち直れなかったように、
私たちが希望的な目で見るより
かなり長い時間居座わりそうな形勢を見せています。
仮にそうであっても、
ハリケーンの直撃を受けなかった地域が同じようにいつまでも
不景気のつきあいを続けることはありません。
世界中を駆けまわって金儲けのネタを探している遊資だって
次の儲け口を血眼になって探しているし、
損害が比較的軽微でそれなりの立ちなおりを見せている地域は
アメリカと違った動きを見せるようになります。
オリンピックが終わった中国が息もつかずに
更に上昇気運に乗れるのかと疑問を投げる人も多いでしょうが、
アジアの新興国や比較的傷の浅い日本のような先進国が
取引先の方向を変え、
商売のやり方も変えるだろうことは目に見えています。
産油国の資金だっていつまでも
アメリカの不況につきあっているわけには行かない筈です。

幸、中国の成長が少々鈍化したといっても
依然として世界一の成長率を続けているし、
石油の値段が落着くところに落着いて、
物価の騰勢が鳴りを鎮めれば、
世界中を動きまわっているドルは
一せいに中国に向うことが考えられます。
バフェットでもソロスでも
中国に目を向けていることが報道されていますが、
ドルの大波がいつ押し寄せるかのタイミングに
多少のズレがあったとしても、
次は中国であることに先ず狂いはないでしょう。

ですから次のステップは世界株価同時安ということではなくて、
ニューヨーク証券取引所と香港取引所や上海取引所の株価が
別の動きをするようになるだろうということです。


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2008年9月23日(火)

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