中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3120回
アジア通貨の時代が近づいています

ドルの衰退はもはや運命づけられたようなものですが、
そう簡単には他の通貨にとって代わられることはありません。
しかし、アメリカの国力の後退によって
世界通貨としての威力を失いますので、
ヨーロッパにユーロが通用するようになったように、
アジアでもアジアの時代に見合った形の
新しい通貨が誕生しておかしくないところまで来てしまいました。

日本が眞っ先に経済大国になったのですから、
一頃はYENがその役割をはたすのではないか
と見られたこともありますが、
日本人にはアジアの一員であるという自覚があまりないし、
他の国々に対する面倒見もそんなにいいとは言えないので、
日本が先頭に立って問題提起をするチャンスがありませんでした。
続いて大国にのしあがってきたのが中国ですから、
日本と中国が話しあって
アジアの通貨をつくりあげてもよさそうなものですが、
お互いに張り合う姿勢も激しいし、
日本の国力も成長から成熟に後退しはじめたので、
このまま推移するとアジアの通貨はYENではなくて
YUANが中心になってしまう可能性が大きくなってしまいました。

恐らく日本もそう簡単には譲歩しないでしょうから
アジアの通貨はそう簡単に統一されないでしょうが、
中国にドルを介在させないでも、
円取引か、元取引が日中間の取引で少しずつ取り入れられて、
商談が成立することがふえます。
現に私のところでも日本から輸入する建設機械は
既に円決済になっていますが、
日本側が中国に販売を依頼するか、
逆に中国製品を日本で販売するようになれば
元建てが実現することも考えられます。
どちらにしてもアジアの中での商取引にドルを介在させることは
取引をややこしくするだけで
さしてメリットのあることではありません。
日本人は海外投資をやる場合も
YENに換算して儲けたとか、損したとか、
円建てで勘定する癖がありますが
それはやがて昔話になってしまいます。


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2008年9月24日(水)

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