中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3121回
日本人の海外投資がふえる一方です

日本の海外投資は年と共にふえる方向にあると
国の発表がありましたが、
恐らくそれは財務省の記録に載るような企業の報告に基くものです。
課税の対象になるような企業活動でも、
もちろん海外からの収入はふえていますが、
個人の投資活動も国内から国外へと資金は動いています。

何しろ日本は預金の利子も世界一安い国だし、
株も不動産も高くなりすぎて少々の元手では
なかなか思うようにお金は儲かりません。
それでも大抵の日本人はせっせと汗水垂らして働くのに、
稼いだお金は銀行や郵便局に持って行って遊ばせます。

預かった金融機関がそれを貸して利息収入をあげますが、
バブルがはじけて日本の企業が倒産寸前まで追い込まれると、
日本の金融機関は大事をとって日本の企業には貸さず、
日本の株を買い占めるアメリカの禿鷹たちに融資をしたので、
日本のこれはと思う優良企業は気がついて見たら
外資の壟断するところになってしまいました。
銀行なんて金勘定ばかりしていて、
さしてあてにならないことがわかります。

日本の預金者たちにもだんだんそれがわかるようになったので、
今度は預金者たちが小口のお金をおろして、
アメリカの禿鷹たちの眞似をして、
香港や中国やベトナムの株や不動産に手を出すようになりました。
その出鼻をくじくような形で株の大暴落に見舞われていますが、
これくらいのことでくじけるものではありません。
もっとこれからドンドン海外投資がふえて、
1人1人は小さなお金ですが、
日本の外貨準備高は中国に次いで第2位ですから
全部あわせるとそうバカにしたものではありません。
日本はどちらかと言えば、
資本を提供する側に位置づけられるのです。

でも慣れないせいもありますが、
日本人はお金を海外に持って行く前から
もう持って帰る時のことを考えます。
それも円建てで物を考えます。
それじゃ持って行かない方がいいんじゃないかと
私に意地悪を言われて
目を白黒させるのです。


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2008年9月25日(木)

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