中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3129回
人はそんなに器用に動けないものです

株価が上昇気運に乗っている時は、
少々くらい高値で買った株でも、
もっと高くなることが起りますから、
新入りでも何とか利益を出すことができますし、
人からきいた情報で株を買っても
思わぬ成果をあげることができます。

ところが、一転して下げ相場になると、
もうこのへんで下げどまると思ってナンピンをかけても
まだ下げ続けます。
気がついて見たら半値どころか、
平均して買値の3割か2割まで財産が減ってしまったということが
珍しくありません。
はじめてそんな目にあった人は
真っ青になってメシが喉を通らなくなることもあり得ます。
でもあなただけがそんな目にあっているわけではなくて、
株をやっている人の大半が同じ目にあっているのです。
そこで投げてしまえば、損を確認することになりますが、
株はいつまでも下げ続けるわけではなく、
必らず底を打って逆転します。
ですからジーッとガマンをすればいつか必らず逆転します。
ダウが過去の高値を打って新高値をつければ、
少くとも平均値では買った時より上に行ったことになります。
もちろん、次の相場で新高値をつける銘柄は
昔と全く同じではありませんから、
更に研究を続ける必要はありますが・・・。

ところが、毎日の株の上げ下げの中で相場をとろうと考える人は、
上げ相場の時も、
「今日買って、明日売る」ような利鞘稼ぎにうつつを抜かしますが、
下げ相場の時もそれが可能と思い、
もっと下げた時点で買い戻せば
その差額だけ損を少くできると考えて
下値でもかまわず投げる挙に出ます。
日本のように信用売りのシステムのある国では
売って儲けることも可能ですが、
実物で売買する中国株でそんな器用なことは
先ず考えられません。
投げた株を底値で買い戻すにはかなりの勇気が必要だし、
実際にそんな見透しができると思うのも
錯覚に近いと言っていいでしょう。
人は上げ相場でも儲けて
下げ相場でも儲けられるほど器用だと思うこと自体が
錯覚だと言っていいのではないでしょうか。


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2008年10月3日(金)

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