中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3133回
銀行マンは付加価値の創造に手を貸せ

日本の金融機関はバブルの崩壊によって大きな損害を蒙り、
経営陣が一新したり、再編成によって出直しを余儀なくされたので、
すっかり自信を失ってしまいました。
取引先である産業界も、
銀行はお金の出し入れをするところではありますが、
新しく事業を起したり、投資をやるにあたって
資金の提供や援助を受けるところだとは思わなくなっています。
なぜならば、
新規の事業を起すチャンスもすっかり後退してしまいましたが、
銀行は取引先にお金を貸すことよりも、
庶民から預かったお金で利廻りのよい債券を買ったり、
アメリカから進出してきた禿げ鷹たちに融資をして、
日本の不動産や上場企業の買占めをする
手伝いをするようになったからです。

怠慢というか、ズル休みというか、
銀行業も証券業も新しい富を創造するよりも、
新しく印刷した紙幣にベイキング・パウダーをふりかけて
プープーと息を吹きかけるような事業に夢中になっています。
おかげで銀行で働く人たちもすっかり人が入れ替わってしまい、
経済成長期のような活気が失われてしまいました。
その上、アメリカの銀行や証券会社の後塵を拝していますから、
産業界とますます縁遠くなる方向に動いています。

それが更にアメリカの銀行や証券会社に出資して
世界中でお金でお金を稼ぐ挙に出れば、
あぶ蜂とらずに終わることは避けられないでしょう。
ですから私は銀行は取引先の面倒を見、
証券会社は投資信託でピンハネをすることばかり考えずに、
上場会社の資金調達に力を貸す昔に戻った方が
生命は長いのではないかと思います。
日本経済が既に飽和点に達しているとすれば、
中国や東南アジアのような新興国があります。
こういう国々ではまだ銀行の後進性が目立っていますから
その分、チャンスがあります。
進出している日本企業だって資金ぐりに追われているんですから、
銀行が付加価値の創造の手伝いをすればいいのです。
もっとも私がそんなことを言っても
それを実行できる銀行マンはいまの日本にはもういないでしょうが。


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2008年10月7日(火)

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